看護師の年収は、専門職ということもあって、全職種の平均に比べてかなり高い水準になっています。ただ、基本給が特別に高いわけではなく、病棟を備える医療施設で働いている看護師が頻繁に行う夜勤により、年収が押し上げられているのが実態です。夜勤手当は大きな割増賃金になるので、1回で数千円から1万円少々の手当になります。夜勤は負担になるから、できるだけ避けたいという人も多いのは確かですが、逆に夜勤のシフトに積極に入り、頑張っている看護師も多いです。給与明細書を確認してその事実に気づいたとき、看護師長に相談して優先的に夜勤に入れてもらったり、交代要員としていつでも対応できるようにしていたりする人も、決して少なくはありません。
それでは、どのような看護師が、夜勤手当の獲得を目指して頑張っているのでしょうか。全体的な傾向としては、20代から30代前半の若手の看護師です。現場によっては、若手の看護師が夜勤の半分くらいを占めていて、活躍している様子がはっきりとわかる状況ができています。これは、若くて体力も気力も充実しているうちに、少しでも稼いでおきたいという人が多いからです。まだ結婚前であれば、時間的にも余裕があるので、結婚資金や趣味のためのお金を貯めるつもりで、夜勤に率先して取り組んでいることもあります。結果として、夜勤の人材が比較的確保しやすくなっている現場も多いですが、日勤のみで働くことを希望する看護師も増えてきている影響で、夜勤専従看護師を確保する傾向も強まっています。